92歳の父は、身体はいたって健康で一人暮らしをしていますが、物忘れは徐々にひどくなっているような気がします。
本人もそれを自覚していてもどかしく思うこともあるようです。
昨日は銀行のキャッシュカードが見つからなくてお金をおろせないと電話がかかってきました。
キターッ。
キャッシュカードはだいぶ前から紛失状態で、銀行にはカード使用停止の手続きをしてあります。
再発行しないのは、普通預金にたいした残高が残っていないので、父がATMで引き出す度にマイナスが嵩むから。
生活費は別の銀行の口座から引き出しています。
このことを何度説明しても、ふとお金をおろそうと思った時にカードがないと大騒ぎ。
その度にカードを失くしたところから延々と説明するのですが、もちろん父には記憶がないので電話で堂々巡り。
そして『もう何もわからなし、お金がなかったらお正月も迎えられないし、お父さんは天国に行くっ!!』
で、電話ブチって切られました。
天国に行けるものなら行ってみたら?って言いたくもなりますが、そんなことを口にしたら本当のことになりそうで恐ろしくて言えない。
なんだか泣けてきますよ。
私から電話して、子どもをなだめるように伝えます。
お父さんは何もわからないわけではなくて、その時その時にはわかっていたことを忘れちゃうだけ。
歳とともに忘れることが多くなるのは仕方がないし、一人暮らしができているだけで立派なものよ。
それにしてもどうしてお金をおろそうと思ったの?
父:お正月用のお金をおろしておこうと思って・・
今週月曜日に実家に帰った時に20万円あったので、当座の生活費用と予備費用と用途を封筒に書いてに入れておいたのも忘れちゃったらしい。
生活費のお金はどこそこ、予備費はどこそこに父が自分でしまっていたので、その場所を確認するように伝えたら、
こんなところにお金があった!
だそうです。
それはそうでしょ、自分でしまったんだし、金庫ですからね。
そもそもこの20万円は従弟が泊るというので、押し入れから布団を引っ張りだしたら、お金入りの封筒が現れたのでした。
父の字で昨年の日付と金額が書いてありました。
父に確認しても当然記憶なし。
そもそもお正月用のお金って、何に使うの?
私と弟にお年玉をあげたいんだそうです。
気持ちだけで十分だと言っても、ルーティンはぜったいに変えないので、楽しみにしてるわと言っておきます。
特にお金に関することは記憶が混乱しがち。
認知症検査をしたら、認知症までではなくても軽度認知障害(MCI)とは診断されそう。
なので検査はしないつもりです。
時々サポートはしますが、基本的に生活全般を一人でこなして生活している父がMCIとか診断されたら、自信を失ってあっという間に生きる気力さえ失くしかねない。
治療して回復する病気であれば受診を勧めますが、そういう類の病ではなさそうですから。
夫が帰宅してこの話しをしたら、
お父さん、天国行きが決まってるんだ。
いいな~って笑ってました。
こちらの能天気さの方が危ないかもです。
私は昨日、3か月後に迫ってきた片側顔面痙攣手術のための検査を午前中いっぱいかけて検査してきました。
未だ実感はわきませんが、乗りかかった船、あともどりはできません。
つい先日手術のことを父に話したらそれはそれは心配して、伝えたことを後悔したくらいだったのに、父は忘れちゃったみたいです。
忘れっぽいのも悪いばかりではないですね。