物語というほどの大袈裟な思いはないけれど、結婚当初のお台所を思い出しました。
そして、ナ、ナント、今日は私たち夫婦の37回目の結婚記念日です🎉
今までも特に何もしなかったし、今日も特別何も起きないはず。
なのに何故思い出したのか?
先日、我が家に遊びに来た子たちから、結婚して何年ですかと質問された夫が絶句してたので、助け舟を出した私。
まあ、そんなものです。
結婚前に交際していた期間を入れると40年を超え、人生の半分以上を一緒に過ごしたことになります。
よくもったものです。
結婚記念日に特別なことはしませんが、例年この頃に旅行をするのが記念日イベントの代わりになってます。
今年はクアラルンプール旅行ってことになります。
記念日にはちょっと早かったですが、マンダリンオリエンタルでアニバーサリーケーキをいただきました。
話しがそれました。
お互いに実家住まいだった2人が結婚するので、家は賃貸マンションと漠然と思っていたのですが、その話しを聞いた夫の幼馴染が、ウチの空き家に住めば?と、ありがたいお言葉。
相続人がいらっしゃらなかった叔母様の家を相続してずーっと空き家になっているとのこと。
古い家だから傷んでいるところもあるかもしれないから、家賃は要らないけれど、修理などは自分でやってねと。
後から考えると、家賃を払って賃貸マンションに住んだ方がコスト的には安くなったかもしれないのですが、賃貸に住んだことがない2人だったこともあり、ありがたくその家をお借りすることになりました。
昔ながらの平家の一戸建てで、庭には井戸も健在でした。
室内のリフォーム、床の張り替え、畳替えなどなど、結構手を入れました。
そして特筆すべきは、台所が『土間』だったこと。
木製の冷蔵庫もそのままになってました。
部屋から一段下がった土間に、さすがに竈門ではなくガスはありましたが、流しはステンレスではなく石だったような。
これはかなり厳しい。
土間に床を貼り、キッチンセットを入れてもらい、ここが私の初めての台所となりました。
LDKとか、DKではなく、土間だったくらいですから完全独立型でそれも北側。
冬はチョー寒かった。
ここで料理を作って居間に運んで、テーブルではなく畳の部屋の座卓で食事。
昭和初期って感じです。
もちろんリアルには知りませんけど。
初めての家がこんなレトロな家で、それに合わせて家具を買ったので、和家具が多かったんですね。
箪笥は今の家のリノベーションによる引っ越しの際にお別れしましたが、リビングのサイドボードは健在です。
食器類も和食器が多かったですが、食器棚を確認したら当時から残っているのはほんの数点になってました。
実家暮らしで社会人になってからも、母がお弁当まで作ってくれていたので、この台所で悪戦苦闘していたことでしょう。(←記憶なし)
母がやっていたように、夕食には何品も作って食卓に並べようと、仕事もしながらよく頑張ったよ、私。
夫にお弁当まで作っていました。
それで、いつも疲れていて、そのうち不機嫌になって喧嘩になることも。
専業主婦の母から、無理をしないで手を抜きなさいと言われて少し気持ちが楽になったことを思い出します。
そのことを夫に言ったら、機嫌悪くなるほど無理して、自分は別に焼きそばだけでもいいんだけどと言われ、ガックリでした。
寒くて、決して使いやすい台所ではありませんでしたが、私の料理の基本はここでの7年間の中でできたのだと思います。
この家にはとにかく友だちがよく遊びに来たり、泊まりに来たりしました。
誰もこんな家に住んだことはないと思いますが、なぜか懐かしい気がするそうです。
庭でバーベキューをすれば、皆んなで縁側でワイワイ、ガヤガヤ、気付けば奥の部屋で昼寝をしている人もいたり。
人が集まるお陰で、料理のレパートリーも増えた気がします。
台所と居間、縁側を行ったり来たり。
若かったんですね。
ガラガラ〜と、引き戸の玄関を開けるとタイムスリップしたような空間。
昭和の終わりから平成にかけての思い出です。
NHKのあさイチでご紹介されていた方がおっしゃった『台所には人生がつまっている』という言葉が印象に残っています。
また、お一人暮らしの男性は、料理は生きる手段ではなく、料理することを楽しみにしている、ともおっしゃっていました。
今の私は義務感でやるから、面倒な気持ちになるのですね、きっと。
この家は所有者である友人が結婚することになり、家を建て替えて住むことになったので、私たちは初めて自分たちの家をローンで購入することになりました。
古ーい平家の日本家屋から、マンションの意味もなく広い4LDKになり、それまでの反動から最新のシステムキッチンに変貌を遂げました。
もちろん食洗機付き。
今のキッチンは赤ですが、最初の家のキッチンはブルー。
あのキッチンも使いやすかったんですよね。
何一つ不満がなかった。
そして、次の家が終の住処になるであろう今の家。
今のところリノベしたキッチンに不満なし。
幸せなことです。
夕飯の支度が面倒で時々愚痴るのは、キッチンのせいではないことは確かです。
《夕ごはん》
ぶりの照り焼き、長葱添え
鶏むね肉と青梗菜のオイスターソース炒め
納豆
豚汁(前日の残りに豆腐だけ追加)